1.路線価方式による価格
路線価方式とは、評価対象となる土地が面している道路につけられた1㎡当たりの価格(路線価)に、面積を乗じることによって評価額を求める方法である。これに対して郊外や田畑、森林などは倍率方式(固定資産税評価額に国税庁が定めた倍率をかけて評価額を求める方法)を用います。
既述の通り、対象地の前面路線価を基に評価しますが、例えばその土地の形状が不整形であったり、間口が狭く奥行きが長い土地であったりすれば、評価額は下がります。逆に角地や背面道路が付いている土地等は評価額が上がります。修正率には以下のものがあります。
・奥行価格補正率
・側方路線影響加算率
・二方路線影響加算率
・間口狭小補正率・奥行長大補正率
・不整形補正率
例えば、前面路線価150,000円/㎡、間口10m、奥行き10m、面積100㎡の土地は、補修性が無いため、
150,000円/㎡×100㎡=15,000,000円となります。
2.路線価方式の問題点
相続税法第22条において、財産の評価は当該財産の取得時における時価によるとされている。国税庁は時価の解釈を評価の画一性等のため、財産評価基本通達によって評価したものが時価であるとし、路線価による評価を時価としている。しかし、時価が路線価評価額を大きく下回る場合は、それを証明することにより適正な時価で申告などをすべきである。そのような時価で申告などがあった場合には、その時価が適切であるか否かについて税務署は適正な判断を行うこととされている。時価が路線価評価額を大きく下回るケースとしては、以下が考えられらる。
a.地価の急激な下落(バブル崩壊直後の時期)により、1年に1度の見直しがある路線価が、急激な変動に追いついていない場合
b.以下のような土地の個別性が強い場合、画一的な評価方式では適正な時価が把握できない。
・間口が2m未満の土地(原則、建物の建築不可)
・道路との高低差が5m以上ある土地
・傾斜地の土地(造成費が過大になる)
・基準法上の道路に接面していない土地
・無道路地(道路に接面していな土地)
・面積が大きな土地(500㎡以上の土地)
・私道
・買い手がつかない別荘地
・底地
・収益性が低い賃貸アパート、賃貸マンションの敷地
次回は、路線価方式による実際評価をサンプル例示で投稿します。