1.利用区分
・土地の評価を行う場合、土地を利用区分で分けてその区分ごとに評価を行う。利用区分は➀取得者単位➁地目単位③利用単位で分ける。
・取得者単位とは、各相続人が取得した土地ごとに評価する。
・地目単位とは、現況地目で土地を評価することで、例えば、被相続人のご自宅の敷地(宅地)と駐車場(雑種地)が地続きである場合、これらは分けて評価する。
・利用単位とは、土地が利用されている単位ごとに評価するという意味である。例えば、地主さんが賃貸アパート2棟所有していた場合、取得者、地目は同じであるが、それぞれの建物の敷地ごとに分けて評価する必要がある。
2.土地の最有効使用の判定
・分譲マンションの場合、マンション業者が土地を取得し、マンションを建設するので、採算が合わない土地はマンション適地とはなりません。しかし、賃貸マンションは、地主が土地活用の観点から建設したものです。従って、土地から購入して賃貸マンションを建てることは収益性の観点からは経済合理性に反しているため、最有効使用の観点からは除外されます。
3.土地面積
・マンション用地は面積が大きいほどスケールメリットがでます。通常1000㎡(約300坪程度)未満の土地はマンション用地としては不向きと判断できます。
4.容積率
・容積率が300%以上の地域で、かつ開発許可面積以上の土地は、戸建て住宅よりもマンション敷地として利用するほうが最有効使用と判定されるので、広大地には該当しない。但し、接面する道路幅員が狭小の場合、基準容積率が小さくなるので、マンション適地とはならない場合がある。
5.公共公益的施設用地の負担判定
・負担判定の際の要素は、➀標準的画地面積➁奥行き距離③敷地形状④接面する道路種別である。
・開発における最低敷地面積は、市区町村の条例によって異なるので、確認が必要である。
・奥行き距離が長い場合、路地状敷地を設けることが市場性の観点からどうか判断が必要である。
・敷地形状(例えばL字型敷地等)により、開発道路の必要性が高まる場合がある。
・敷地が複数の道路に接する場合は、通常、各々の道路からの接面が可能となるので、広大地に該当の可能性が低くなるが、道路種別により、接道が不可能な道路(遊歩道、緑道、水路を介した道路、専用私道等)もあるので、確認が必要である。
6.区画割図面作成上の注意
・区画割図は、対象地が広大地に該当するという裏付けになるものであり、作成に当たっては以下の点に注意が必要である。
➀最低敷地面積
➁道路の幅員、隅切り、転回広場
③公園、ゴミ置き場
④2項道路に接する場合のセットバック