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不動産の収益と利回り

1.不動産の収益とは

・不動産の収益はインカムゲインとキャピタルゲインから成る。

・インカムゲインとは、不動産の家賃収入や駐車場使用料などの総収益から総費用を控除した純収益をいう。

・キャピタルゲインとは、不動産の元本が上昇することによって得られる含み益、又は、転売することによって得られる転売益をいう。市況によっては、キャピタルロスが発生する場合もある。

・不動産投資を行う場合、初期投資額に対して、どれほどのインカムゲインやキャピタルゲインが得られるかという収益力を知る必要がある。この収益力は還元利回りや割引率によって表される。

2.収益力を計る利回りとは

・利回りには以下の2種類がある

➀還元利回り(R)・・・直接還元法やDCF法の復帰価格を求める場合に使う。一期間の純収益から対象不動産の価格を求める場合に使用される率で、将来の収益に影響を与える要因の変動予測と予測に伴う不確実性を含む。

➁割引率(Y)・・・DCF法に使う。ある将来時点の収益を現在価値に割り戻す際に使用する率で、要因の変動予測と予測に伴う不確実性を含む。

・この利回りはリスク(予測の不確実性)を反映している。

3.不動産の取引利回り等

・不動産売買における利回りは以下のものがある。

➀粗利回り(取引利回りの別称)

➁取引利回り

③表面利回り(取引利回りの別称)

④純利回り(ネット利回り)

・➀~③は、年間賃貸収入を販売価格で割った利回りで、他の売買物件との収益性の比較に用いる。

・④は、年間賃貸収入から諸経費を控除した純収益を販売価格で割った利回り。

・これらの利回りは、他の販売物件との収益性の比較には有効であるが、不動産の価値を判定するものではない。

4.割引率の構成要素

・割引率=無リスク利回り(10年もの国債の利回り0.6%)+不確実性(リスクプレミアム)

・リスクプレミアムとは、予測した値と実現した値との乖離をいう。

判定例

➀築古物件や地方物件・・・リスク高まる

➁住居系→テナントビル→事務所→店舗・飲食店(順次、不確実性が高まってゆく。)

5.収益還元法の種類

・基本式・・・将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和

・永久還元・・純収益が一定で、無限に継続する場合

P(価格)=a/R(純収益/利回り)

・純収益が毎年一定率で変動し、無限に継続する場合

P=a/Y-g(割引率-収益及び元本の変動率)

∴R=Y-g(R≠Y)

従って、

➀収益及び元本が下落すると予測すると、利回りは高まる。

➁収益及び元本が上昇すると予測すると、利回りは低くなる。

③収益及び元本が変動しないと予測すると、R=Yとなる。

 

 

 

 

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