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DCF法とは

1.DCF法とは

連続する複数の期間に発生する純収益及び復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計する方法。現在価値に割引のは純収益に複利現価率を乗じたもの。

2.DCF法の意義

・直接還元法は、永久に投資が継続することが前提になっているが、投資家は通常、短期の投資を基本とするものであり、投資家の投資採算価格の把握には不十分である。

・投資期間中のキャッシュフローと転売キャッシュフローが明示されるところに、DCF法の意義がある。

・但し、将来の純収益や復帰価格を明示した点で、DCF法が優れているのであって、直説法とDCF法で求められた収益価格は、理論的には一致していなければならない。一物一価の原則である。適切な資本的支出が行われていれば、理論的には一致する。

3.DCF法の適用手順

・保有期間の査定・・・通常、投資家は5~10年間を想定

・キャッシュフロー予測・・・デューデリ(過去の収支分析、修繕履歴調査、レントロール等)

・割引率の査定

➀積み上げ法(下記例示)

無リスクレート(10年物国債) 0.6~1.0%

不動産固有のリスクプレミアム 3.0~4.0%

対象不動産のリスクプレミアム 0~3%

合計             3.6~8%

➁借入金と自己資金に係る割引率から求める方法

③REITの利回り事例から求める

④地価公示の基本利率(5%)を採用

・復帰価格(転売価格)の査定

復帰価格とは、保有期間満了時における対象不動産の価格

基本式=(n+1期の純収益)/最終還元利回り

最終還元利回り=初年度利回り+α

α:予測不確実性を担保する(0~1%)

但し、理論的には、初年度利回りも最終還元利回りも一致しなければならない。その前提は適切な資本的支出の計上である。

 

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